注文住宅の間取りが決まらない…!設計や間取りの考え方を知ろう。
人によって住宅に求める理想が異なります。
そのため、多くの方が注文住宅で家を建てる際に間取りがなかなか決まらないと悩んでいます。
間取りはその家の利便性や快適性に関わるので慎重に考えていくと思いますが、悩めば悩むほど決まらなくなってしまいます。
ここでは、注文住宅で設計や間取りはどう考えればいいのか、間取りが決まらないと悩んでいる方に向けてプランニングの考え方を紹介しましょう。
この記事の目次
注文住宅の設計・間取りで覚えておきたい用語
不動産では様々な専門用語が使われますが、施主も少し用語が分かると打ち合わせの時に内容を理解しやすく、また設計士に理想を伝えやすくなるので覚えていて損はないでしょう。
では、最低限覚えておくと良い用語をご紹介していきます。
LDK
LDKはリビング、ダイニング、キッチンの3つの頭文字を組み合わせたもので、不動産では2DKや3LDKなどで表示されています。
2DKとはDK(ダイニングキッチン)に加えて2つの個室がある間取りのことを指し、3LDKはLDKに加えて、3つの個室がある間取りのことです。
また、LDK20畳というのは、リビング、ダイニング、キッチンを合わせて20畳の広さであることを示します。
建蔽率、容積率
建物には建築基準法や都市条例で、その土地に建てることができる建物の面積に制限があります。
それを建蔽率・容積率と表示します。
建蔽率50%の場合、土地面積に対して建築面積50%以内で建てられることを示し、容積率80%となっている場合は土地面積に対して延べ床面積80%以内で建てられるということです。
北側斜線、道路斜線
建築基準法や都市条例では建物に高さにも制限を決めており、北側斜線や道路斜線から制限を検討しています。
北側斜線とは土地の真北から検討し、道路斜線は土地が面している道路から検討されます。
斜線制限があると屋根の形にも制限がかかり、天井が斜めに下がる「母屋下がり」が必要になります。
そのため、斜線制限がある場合は設計士に確認を取って間取りを決めていきましょう。
優先順位を決めよう
間取りが決まらない理由として、間取りに対する要望の優先順位が明確になっていないことが原因になっていることがあります。
家族一人ひとりが意見を出し合うだけでは間取りのイメージはまとまりません。
まずは優先してこだわりたい部分を決め、最悪諦められる要素を決めておきましょう。
全ての要望を取り入れることが理想的ですが、建物には面積や高さに制限があり、予算にも限りがあります。
なので、必ず実現したいことから優先順位を決めて考えた方が、満足度の高い注文住宅を実現することが可能です。
間取りの優先順位は頻繁に使う部屋が優先されるので、基本的にお家に長くいる人の要望を優先すると決めやすくなります。
例えば、奥さんが長時間家にいることが多い場合は、家事動線や子育てのしやすい環境を意識した要望が出てくるでしょう。
また、優先順位を明確にしておくと、設計士に要望を伝えやすくなるので、イメージにぴったりな提案に期待できます。
できれば簡単な間取りイメージを手描きで用意しておくと、よりイメージを伝えやすくなります。
注文住宅を建てる土地の形状を確認
土地の形はそれぞれ異なり、形によって間取りの問題点も変わってきます。
なので、事前に土地の形状や方角、前面道路の位置などを確認し、その形に合わせて間取りを考えることも大切です。
例えば、道に接していない方に玄関を置くと、家の出入りに不便ですし、玄関以外の場所から侵入される恐れもあるので防犯面に問題が生じます。
自分達の要望と合わせて土地の良さを最大限活かすことを意識すると、間取りも決めやすくなるでしょう。
迷った時は周辺の住宅を見て、どの方位にどの部屋を置くと良いのかイメージしたり、バルコニーやベランダの位置、日当たりなどを参考にしてみたりすると考えやすくなります。
間取り決めは周辺環境にも合わせること
注文住宅の間取りを決める上で土地の形状に合わせて、周辺環境にも合わせて考えることも大事です。
人通りの多い道路に隣接している土地の場合、外からの視線に考慮して開口部を考える必要があるでしょう。
目隠しフェンスなどをすることで採光が取りにくい場合は、中庭を設けて採光を得る方法もあります。
視線だけではなく人通りの多いところは騒音も気になるので、寝室など落ちつける空間に部屋は設置しない方が良いでしょう。
この他にもゴミ捨て場の悪臭や西日による不快な日差し、落ち葉などが雨どいに詰まらないか、防犯対策など周辺環境とのバランスを考えて間取りを考えていくことは望ましいです。
間取りを考える時に意識したいポイント
住みやすさに配慮して間取りを考える時、何を意識すればいいのか悩む方は多いでしょう。
快適に暮らせる間取りを実現するためには、いくつかポイントがあるのでご紹介していきます。
採光を考える
採光の条件は土地によって変わります。
1日中気持ち良い採光が望める場所と、採光に望めない場所を把握しましょう。
そうすると部屋の配置場所を選定しやすくなります。
例えば、過ごす時間の長いリビングなどは南東に面しておくと、明るく心地よい採光を確保できるでしょう。
逆にトイレや浴室などは採光が確保しづらい場所や夕日が差し込む北西に配置されることが多いです。
ただ、土地によって条件が変わるので必ずしも東西南北を意識した間取りが正しいというわけではありません。
強い西日でも植栽で遮ればほど良い採光が確保できることもあるので、設計士と採光条件をしっかり確認しておくことをおすすめします。
通風も考える
採光と一緒に考えたいのは風の通りです。
心地よい自然の風を家に取り込むためには、どんな窓をどこに配置するのかがポイントになります。
例えば、通り道がないと気持ち良い風は入ってこないので、一直線で対面させるように開口部を配置する必要があるでしょう。
また、窓を設置する高さによっても取り込める風の温度が変わります。
冷たい風を取り込むなら低い位置、温かい空気を逃がすなら高い位置が望ましいです。
外からの視線にも配慮して窓の位置を調節することも大切でしょう。
通風を目的にするなら部屋に応じて上げ下げ窓や縦すべり出し窓のように、小窓を設ける方法もおすすめです。
外溝もしっかり計画すること
現在車を所持していなくても、将来車を購入する場合は駐車スペースを確保する必要があります。
所持する台数や車のサイズに合わせて広さを確保し、その分住宅面積が狭まります。
そのことを考慮して間取りを考えていきましょう。
他にも外に水栓を設置する場合、配管が必要なので間取りの計画と合わせて決めてください。
生活動線や家具、家電の配置
各部屋への移動のしやすさや家事のしやすさなどは生活動線が影響します。
家族一人一人の日常的な動きの流れを考えて、部屋を配置するように考えてみましょう。
家族の数の変動や高齢化などによっても動線は変わっていくので、できれば10年、20年先のことも考えて考えると理想的です。
間取りを考える時は家具や家電をどこに配置するかも考えながら計画すると、配置に関する失敗を軽減することができます。
よくあるのが家具や家電を置くスペースが足りない、窓の位置の関係で配置が難しい、コンセントが足りないといった失敗です。
事前に既存のものと新しく買い変えるものを含めて寸法を確認し、また設計図に配置を書き込んでコンセントの位置や数を決めていきましょう。
最後に
注文住宅の間取りが決まらない理由は、要望の優先順位が決まっていない、土地の形状や周辺環境を把握できていないというところにあると考えられます。
土地の特徴を確認し、光や通風、動線、配置に考慮して要望を取り入れながら考えていくと、イメージに近い間取りを決めていくことができるでしょう。
間取り決めに悩んでいる方は、ご紹介した考え方やポイントを意識して考えてみてください。
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